歌う時に知っておきたい事


イメージは動き続ける

二次元絵画から三次元アニメーションへ

 

歌を歌う時、少しでもレッスンを受けた事のある方は特に、

いろいろなイメージを頼りに、いい声が出るように歌っているのではないでしょうか?

そういう私自信が体をイメージしながら歌っていますし、

教える時もイメージを使ってわかりやすくします。


その時に、そのイメージが平面の2次元になっていないでしょうか?

そして、絵画のように、そのイメージがそのまま、微動だにせず、

イメージが絵のように固まっていませんか?


私たちの体は、3次元、立体で、常に動いています。

例え空気を吸うのを止めても、体は動き続けます。

自分の心臓はコントロールできませんから、動き続けますね!

歌っている時も同じです。


声帯は振動し続け、空気は送られ続け、あなたの体は動き続けます。


その時に、あなたのイメージが2次元平面絵画のように、

ピタッと固まったままでは、

あなたの声も体も、歌い続けることをやめてしまいます。

一瞬いい声が出ても、その次の瞬間、固まったイメージのせいで、

動き続けるのをやめた体は、声を出す事もやめてしまうため、

変な所に力が入ったりして、うまく歌えなくなるのです。

 

2次元平面に、体をとらえている場合、空気を吸うときは、

前後左右の体の動きを認識できません。

響きもそのせいで、体中に響く事ができません。

スペースのないところでは音は響きません!

特に、人は、目のついている、前面に注目しますが、

目のない後ろへの配慮は、忘れてしまっております。

無視です!

私たちは、紙のようにぺらぺらではありません!

ぜひ、歌うときは、体を3次元立体にイメージして、

しっかり自分を感じてとらえてください。

そして、歌うときのイメージは、絵のように固まったものでなく、

そのイメージが動き続けるアニメーションだと思って、

イメージを繰り返してください。

 

筋肉の解放が、表現を解放する!

筋肉的緊張 と 芸術的緊張

 

何かを表現しようとする時、

意識が緊張しすぎて体を緊張させて表現しようとしたりします。

ですが、表現をするための緊張、テンションは、

筋肉を緊張させることで生まれるわけではありません。

例えばあなたが悲しい時、うれしい時、

筋肉を硬直させるから、

あなたは悲しくなるわけでも、

うれしくなるわけでもありません。


それは、あなたの中にある意識の緊張(テンション)によって、

表現されるものであって、体の緊張ではないのです。

ですから、体の緊張を使って、

芸術性を深めようとしないでください!

その必要がないからです。

芸術性、表現は、あなたの意識の緊張(テンション)で表現して下さい。

その緊張を、わける事は、もちろん可能です。

 

まずは、歌う時に筋肉の緊張がとれた歌い方が

できるようになっていなければなりません。

表現を筋肉的緊張で表そうとする時、

しばしば肩や手、顎、目に集中が集まったりして、

体の後ろ側のスペースを崩しがちです。

そういった動きを取り除きましょう。

意識して、自分が歌い始める時、歌っている時、

どういう緊張を筋肉に及ぼしているか、

観察してみてください。


まずは、気付く事が大切です。


また、筋肉の解放をまだできていない場合は、

まずそれを少しずつ体得していく必要があります。

 

芸術的緊張を筋肉的緊張でしか表現ができないと思っている場合は、

表現方法を見直す必要があります。

人は、黙って座っていても、

その時のテンションは、筋肉的緊張なしに、こちらに伝わってきます。

落ち着いている人は、座っていて、落ち着いているとわかりますし、

緊張している人は、ただ黙ってそこに座っていたとしても、緊張している、

または、イライラしているというのは伝わってきます。

表現力は、自分の内側にある緊張だけで十分なのです。

それを、大げさに外側に飾り立てる必要はありません。


「表現する」というと、

何か特別な事をしなければいけないと思ってしまうのではないでしょうか?

しかし、私たちは、日々、常に「表現」しています。

それは、自然なものですよね。

自然に感情が起こって、その感情に合わせた表現をします。

歌の歌詞を自分の言葉になるまで、解釈することが

芸術的緊張を自然にする唯一の方法です。

 

それができた後に、身体的表現が自然な形で現れます。

手が動いたり、表情がついたり。

そこには、歌う事を妨げる筋肉的緊張は存在しません。